パライバ鉱山開発記inブラジル

 伽羅PLUS株式会社は正式にブラジルにある「GLORIOUS MINE社」の株式の一部を取得し、今後、株主として、また「GLORIOUS MINE社」役員としてブラジルのパライバ州にある「GLORIOUS MINE」の開発及び運営に参加することになりました。
 GLORIOUS MINEを紹介する前に、有名な鉱山を見学する事ができたので、紹介します。普段は撮影禁止の鉱山内も、特別な許可のもと撮影掲載しております。

パライバ伝説始まりの地HEITORITA鉱山

 ここはパライバ伝説始まりの地「HEITORITA(エイトーリタ)鉱山」です。
 そう、世界で初めてパライバトルマリンを産出したのがこの鉱山。伝説のガリンペーロ(鉱夫)エイトー氏の手でパライバが発見されたのは1982年の事。
 現在はエイトーの息子セルジオ氏が所有しています。コロナの影響もあり、2023年11月現在稼働はしていませんでした。

 事務所には伝説のガリンペーロ「エイトー氏」の写真が飾られていました。この方がエイトー氏です。
 現在は稼働していないエイトーリタ鉱山ですが、将来的には稼働させる予定のようなので、再び伝説が生まれるかもしれません。

 内部はこんな感じ。元々この鉱山はカオリンという粘土質の鉱物を採掘するための鉱山で、パライバトルマリンが採掘されたのは偶然とのこと。もちろん水晶やトルマリンなど様々な鉱物が採掘されますが、採算がとれるほどではありません。

 エイトーリタ鉱山の内部です。蝙蝠が飛び交い、一般的にイメージされる洞窟といった雰囲気です。

現役稼働中の近代的な鉱山 BRAZIL PARAIBA MINE

 所変わって、こちらはパレーリャスにあるBRAZIL PARAIBA MINE(通称BPM)です。先ほどのエイトーリタ鉱山はバターリャにあります。
 よくパレーリャス産やバターリャ産など耳にしますが、これは地名です。因みに、エイトーリタのあるバターリャはパライバ州ですが、BPMのあるパレーリャスはお隣のリオ・グランデ・ド・ノルテ州です。

 BPMはとても近代的な鉱山で、従業員数も200名を超えます。現在も稼働していますが、現在の産出量は1トン土砂を処理して1ct以下だそうです。
 パライバトルマリンが産出する時はまとまって産出しますので、それを信じて掘り続けます。
 宝石を採掘するというのはそういうことなのです。採算よりもロマンなのです。

BPM鉱山の内部はとても近代的です。最深部は150mとの事。今回は特別に地下の世界を見せていただきました。

 縦穴横穴が交差し、地下の世界はまるで蟻の巣です。未来人が発見したら地下帝国発見なんて言われそうです。内部は重機が通れるほど広く、土砂は電動のトロッコで運ばれます。
 これだけ採掘しても産出量は極僅か、現在流通しているパライバトルマリンは過去に産出された物が少しずつ市場に流れているだけで、現時点ではほとんど産出されません。高価な理由も頷けます。

 パレーリャス産のパライバは水晶と共に産出されます。バターリャ産の場合はカオリンの中に混ざっていて、採掘はバターリャの方が容易だと思います。パレーリャスの場合はダイナマイトで爆破しながら採掘をしています。
 色合いは正直、パレーリャス産は薄めの物が多いです。バターリャ産は圧倒的なネオン感を持つ場合が多いです。もちろん個体差はあります。

 こちらは砂利を分別しているところ。奥の機械でほとんどが分別されますが、機械が見逃したものを人間の目でダブルチェックしています。
 さすがブラジルといいますか、文化の違いを感じるのは、この作業中大音量で音楽を流しているところ。ノリノリで作業しています。

さて伝説を創造しようじゃないか GLORIOUS MINE

 ここからが、我が「GLORIOUS MINE」の紹介です。コロナの影響で完全に稼働停止していましたので、鉱山入口のゲートは完全に錆びついていました。次回来た時に塗り直す予定です。でもこの感じも味があって個人的には結構好きです。
 この「GLORIOUS MINE」は現在唯一日本人が採掘権を所有しているパライバ鉱山です。このプロジェクトに参加できる事に感謝、期待に胸が高鳴ります。

 作業スペースに仮設テントを作成しました。テントというかトラックの幌を木にかけただけですが、今回は予備調査ですので、とりあえずあるもので何とかします。
 ここは広大な鉱山のてっぺんです。電気も水も電波もありません。ここまで来るのも悪路を登らねばならず、ひと苦労です。

 今回掘るのはこのあたり。実際の鉱区は驚くほど広いです。何年掘っても出ないかもしれないし、一回目で出ちゃうかもしれないし。ロマンの塊です。
 過去にパライバトルマリンを産出した実績もありパライバトルマリンが眠っているのは間違いないのですが、この広大な土地のどこから出るのか?パライバの女神のみぞ知るといった感じです。

 まずは重機をいれます。硬い岩盤と岩盤の間、ペグマタイト鉱床を掘り進めます。どこまで重機で掘れるのか?重機が入れないほど狭くなった場合は手で掘り進めます。
 この出てきた土砂を洗い、パライバトルマリンが混ざってないか、パライバトルマリンと共に産出する鉱物が混ざってないか、人力でチェックします。

 トラックで土砂を一か所に集め、それをひたすら確認する作業開始です。乾燥していますがとても暑い中の作業です。一気に日焼けしていきます。
 大問題発生です。ここには飲用以外の水がありません。水がないと土砂を仕分ける作業ができません。とりあえず、持参した水を使用しますが、これでは圧倒的水不足です。

 来ました!給水車が来ました!というか、あの悪路をよく登れたなぁという感じのトラックです。4WDでも結構苦労するし、たまにみんなで後ろから押すような悪路です。
 でもこれで作業が続けられます!ありがとう給水車!

 これが給水車の水です。現地では飲用として使われます。色がついているのはミネラルが豊富だから問題ないのです。でもこれ雨水貯めたものを買い取って集めているので、あまり日本人にはおすすめしません。私も試しに一口飲んだだけで止めました。
 でも作業用水としては十分です。一気に作業が進みます。

 鉱山での採掘風景です。結構人力による部分が大きいです。本格稼働が始まればガリンぺーロを雇うのですが、今回は予備調査、自分たちで作業を進めます。私が今回のプロジェクトの最若手なので、力仕事担当です。普段は座って宝石ばかり見ていますが、結構こういう作業も楽しいかも。次回は2024年3月頃行く予定です。

 この記事は2023年11月に行われた、鉱山開発の予備調査時の模様です。コロナの影響で採掘が止まっていた「GLORIOUS MINE」を再稼働させようというプロジェクトの序章のようなお話です。
 ひょんな事から、本当に偶然の出会いから参加させていただくことになったこのプロジェクト、採算ではなくロマンを追ったお話です。いつの日か、皆さんに自分の鉱山で採掘したパライバトルマリンをお届けできるように頑張ります。随時インスタグラム等で進捗を報告いたしますのでフォローをよろしくお願いします。

 今回の旅路はトラブル続きでした。まず、ロサンジェルスからサンパウロへ飛ぶ予定だったのですが、飛行機到着が遅れ、乗れずペルーのリマに飛ばされます。そこからサンパウロに飛びますが、なぜか同行者一名のみ別の便のチケットが発券されており、一名リマの空港で夜を明かすことに。サンパウロからジョアンペソア行きの便にも無事乗り遅れ、ブラジリアへ飛ばされます。当然のようにロストバッゲージして、なんとかブラジリアからジョアンペソアに到着しました。荷物は先にジョアンペソアに届いていたようで、一件落着。結局、皆が揃ったのは予定日の二日後でした。なんとも愉快で印象深い旅の始まりです。皆がトラブルを楽しめるタイプだったので、とても楽しい旅路でした。
 パライバ州の州都ジョアンペソアは素敵なビーチリゾートです。しかし、私たちはビーチを楽しむ間もなく、車で300kmの移動です。ようやく着いた鉱山の町、ここまで来ると、日本人というだけで有名人のような扱いです。一緒に写真を撮ろうとか、握手をしてくれとか。そんな感じなので治安はすこぶる良好です。

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